王安石という人が、宋の時代に、改革(新法)を始めましたと。

それまでは官僚組織がふくらみにふくらみ、人件費はふくれ放題だけど、なにも仕事をアサインできない余剰人員がうじゃうじゃだったそうです。

北辺の遼という国に、「攻め込まないでくれる代わりにお金を上げる」ということで毎年払っていた金も重い負担だし。

税金は既に、上げに上げられて、塩だの酒だのの専売制では、とくに生命を維持するための塩がむちゃくちゃな高値で、貧乏人はほんとに苦しんだと。


財政が危機!
ということで、基本は財政建て直しのための策です。
しかし、結果として、新法で、貧農、中小商工者は、多いに潤うことができました。


①低利融資
大地主・富豪が貧農への高利貸しで巨富を得ているので、
貧農へ国家が低利で金貸しを始めました。
おかげで、
貧農(零細自営)→デフォルト→小作農又は流民化、

という転落の道をころがる百姓が減り、自作農=担税者としてふみとどまるものが増えたんだそうな。

しかし、これをやると、官僚の母体階級である大地主・富豪は、収益の道を一本失うことになる。
ということで、旧来の官僚は
「国家が金貸しなどの卑賤な事をしていいわけがない」
といって大反対したそうな。

②入札導入
それまで官の消費は「随意契約」でまかなわれていたそうです。
もちろん、業者が担当官にまいないを贈り、見返りに高い値段で仕入れてあげる。

入札というのがただしいのかわかりませんが、官と結託した大商人の利をうばったのはたしか。
そして、中小・新興の商工業者がたくさん出てきました。

これも、利の道を断たれた担当官僚、とくに宦官が大反対。


③免役法
豪農とされると、労役奉仕が課せられていたのを、お金で代用できるように。
「豪農(形成戸)あつかいされるとその家は滅ぶ」とまで言われていたそうで、財産隠しの大きな動機になっていたものだそう。

でも「先祖の皇帝様が守ってきた法を曲げるのは許せない」と官僚に大反対され。。

なぜかといえば、それまで官吏が登用された家(たいていは大地主・富豪)からも「助役銭」として、金をとるようになったから。



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反対者(旧法党)は、「父祖の法を曲げること」に反対してますが、実際は、それまで利を得ていた階層が、割を食ったことに対するアンチです。

旧法党は、むろん、新法で利を削られた旧来の大商人、大地主、富豪が支持層です。

彼らは「人民は貧に苦しんでいる」と訴えたそうです。
彼らのいう「人民」は、即ち彼らの階層。
その下で割を食っていた階層は、むしろ息ができるようになったというのに。

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なんだか、変わりませんね。
これ、1000年頃の話です。中国の。

郵政の話だって、仕分けだってなんだって、構図はおんなじ。

消費税あげて、法人税へらして、よろこぶのは大企業ですよ。

中小の商工業者は、税金あがって個人消費がへこむのが、収益に直結する。

こういう方策は誰のため?

ときかれて、まるで自分のためであるかのように勘違いしている貧乏な日本人の我々。。。。。

だめでしょう。

少なくとも、彼ら(宋の人民)は、自分らに利の回ってくる施策は喜んだし、そうでない施策は、いかに国が美辞麗句で飾っても、喜ばなかった。

そうでないと、いいように搾取されてそのままおわりでしょ?

そう思わないのかな。。。。

「福祉目的税なら仕方ないよね」とか、ばかげたことをいっている、生活苦しい一般人の方々。。。。





コメント

シゲ
2010年6月30日0:16

1000年前もいまと同じですねぇ。

で、「福祉目的税なら仕方ないよね」と言わないためにも、頭の体操として、
「福祉もいらんから税金下げろ」という考え方を、コツコツとアピールしたいです。
必要な福祉は必要ですけど、必要でもない福祉を押しつけてくる可能性だってかなり高いですからねぇ。(ムダな福祉でも、ないよりはある方が官僚にとっては利権が増えるからうれしいわけです。)

ニンジン一本買うのにも、重さや色をチェックする人間が、何故か「福祉」と聞いただけで「福祉のためなら仕方ない」とノーチェックになるのは、かなりおかしな話だと思うんですよね。
介護保険で、トイレにてすりを付けるにしても、付ける位置が5cmずれたら、全然役に立たない、無意味なてすりになるわけですよ。であるのに、「福祉だったらなんでも正義」なのかよぉ!と僕は激しく問い質したくなります。

どん太
2010年6月30日18:26

シゲさま

>「福祉もいらんから税金下げろ」という

わたしはですねえ。
「福祉は普通に所得税や法人税などの普通の税からだせばいいじゃん。元々そのために集めた税でしょ、なんて福祉だけのためにべつの税金を作る必要があるの?」

といいたいです。
というか、もしも消費税をあげるなら、その分所得税などの他の税を下げないとおかしい。
だって、元々の税だって、「福祉以外の国家支出に使います」というものじゃなくて、「福祉も込めた国家の支出に使います」というものなはずでしょ?

「消費税から軍事費を支払います」といわれたら嫌なのに、
「福祉に使います」ならOKって、猿なみだと思います。
猿の朝三暮四なみ。

本来の税で支出がまかなえないなら、本来の税の税率を変えればいいだけのこと。

たとえば、金持ちの所得税だの、キャピタルゲイン課税だのをがんがんUPすればいいんですよ。

「福祉のためにキャピタルゲインを課税します」といわれたら、納得するでしょ、「福祉のためなら消費税OK」な人々は。。。

どん太
2010年6月30日18:29

キャピタルゲインだの、法人税を上げると、フライトがおきる、と言ってあげさせないのが常だけど、ほんとかいな?

「福祉のためにキャピタルゲイン課税」と言い張ってみたら、
「福祉のためならいいよ」とかいいだすのでは?

そうならないというなら、もう、「貧乏人は逃げることもできないから、そこから取る」「取りやすい所から取る」以外の何物でもないですね。
哲学もなにもない。

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