癌患者になったとき、「玄米菜食」を勧められました。
(あのころはまだ「マクロビオティック」という言葉は流行ではなかったんです)

でも、べつに勧められる前から玄米食だったし、菜食は20歳のときからだもんねー。

てなもんで、あんまり食生活の変化のきっかけにはならなかった、癌体験。

が、CSを発症して、これはたまらんと、食生活の見直しに入りました。

が、定着してきたのは、やっと最近かな。。。

ただそれは、「マクロビオティック」の考えとは、それなりに違います。

今の食生活で大事なのは、農薬・化学肥料・添加物をなるべくいれないこと、だから。

最近気をつけてみてみるようになった「マクロビオティック」ですが、その点から見ると、あるいは、「養生」という点から見ると、疑問だなあと思うことが多いです。
あ、もちろん私見ですよ。
知らない故の誤解もあると思いますので、その点はご容赦。
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いろんなことをいう人がいるので、いちおう最大公約数だろうと思えるウィキペディアの「マクロビオティック」からみると。。

以下のような食事法を共通の特徴とする。

?玄米玄米や雑穀、全粒粉の小麦製品などを主食とする。
?野菜、穀物、豆類などの農産物、海草類を食べる。有機農産物や自然農法による食品が望ましい。
?なるべく近隣の地域で収穫された、季節ごとの食べものを食べるのが望ましい。
?砂糖を使用しない。甘味は水飴・甘酒・甜菜糖・メープルシロップなどで代用する。
?鰹節や煮干しなど魚の出汁、化学調味料は使用しない。出汁としては、主に昆布や椎茸を用いる。
?なるべく天然由来の食品添加物を用いる。塩はにがりを含んだ自然塩を用いる。
?肉類や卵、乳製品は用いない。ただし、卵は病気回復に使用する場合もある。
?厳格性を追求しない場合には、白身の魚や、人の手で捕れる程度の小魚は、少量は食べてよいとする場合もある。
?皮や根も捨てずに用いて、一つの食品は丸ごと摂取することが望ましい。 食品のアクも取り除かない。

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が特徴だそうな。

?全体食、ホールフーズを食べるというのは、賛成。

?前段は賛成。
しかし、後段が要注意というか。「有機農産物や自然農法による食品が望ましい」望ましい、なんですねー。

?地産地消、旬のもの、というのも、総論は賛成。
だけどさ、たとえば神通川流域では、いまだにカドミウム過多でイタイイタイ病を発症する人が出ているんですが、ここの流域の人が「地のもの」のみ食べてたら、確実に体壊しますよね。。。

?砂糖の不使用。
不可解です。
「砂糖を使用しない」といいつつ、「甘味は水飴・甘酒・甜菜糖・メープルシロップなどで代用する」
あのー。甜菜糖、って、甜菜だって精製したら普通の上白糖になるんですが。未精製のもののみ甜菜糖と呼ぶ、なんてルールはないはず。上白糖の原料には甜菜もあるんだし。
http://www.nitten.co.jp/product/sugar.html

しかも、砂糖の忌避の理由が、別のサイトだと、「血液を酸性にしたり、カルシウムやビタミンを消費したり、細胞が力を失ってしまうから新陳代謝が悪くなったりします。白砂糖は栄養分が一番少なく、酸性度の強いものです。」なんて書かれてたりするのですが。。。
その程度の作用をするものなら、今の時代、他にもいっぱいあるのでは?

まあ現代人砂糖とりすぎでしょうから、控えるのは賛成。しかも、使うなら未精製の糖であるべきというのも、賛成ではありますが。。
砂糖は厳禁の割に、水飴、メープルシロップなどの甘味はいいのはなぜ?
それらの甘みだって糖類なのに。
糖類以外のものが多いから?なら黒糖も同レベルでいいことにはならないの?
うーん。。。

?魚出しの不使用。
。。。はまあ、ベジタリアンならそうしてますね。でも、魚のだし汁がそんなに悪いとは思えないんだけど。

?「なるべく天然由来の食品添加物を用いる。」

普通に合成食品添加物は使わない、ということなら、賛成。
というか、天然の食品添加物ってなにをイメージしてるんでしょうか。
カイガラムシ由来の着色料とか、そういうことなんでしょうか。。。
不明。。

?「肉類や卵、乳製品は用いない」
肉を食べない理由が、「人類穀食動物論=人間の歯は、穀物を噛む臼歯20本、菜類を噛みきる門歯8本、肉を噛む犬歯4本なので、人類は穀食動物である」
とか、「肉の脂肪は飽和脂肪酸だから」とかいうのは。。。
臼歯がいちばん多いからといっても、野菜や肉も、細かくするためには臼歯での咀嚼が必要なわけで、臼歯=穀物用、のみではないはず。。。
また、肉の脂肪はそうでも、肉はてっとりばやい蛋白源。この辺は、個々人の体調をみないことには、それがトータルで害になるか駅になるかは定まらないはず。。。

私は20年肉類を食べず、結果今の健康状態に落ち込んでます。
私が肉を今食べなければ、もっとへとへとのへろへろになるでしょうね。
あ、もちろん、考えたベジタリアン生活を送っていたなら、こんなことにもならなかったのかもしれませんが、考えのないまま動物蛋白だけ抜いたせい、が今の健康です。
「坊さんの生活」とは全然違ってました。この点は、反省。

?全体食。
賛成。

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さて、上のはかなり「ちゃちゃ」のレベルのこともあるんですが。。。。本質的な疑問とは。

なによりヘンテコだよな〜〜と思うのが、「砂糖、動物蛋白」は「禁止」なのに、「農薬・添加物」は、「ないほうが望ましい」程度のレベルなことです。

どちらの害の方が大きいと思ってるんだろう?
人体にも、地球にも。。。

禁止の程度は、むしろ逆であるべきなんじゃないの?

これは、唱道者が戦前の、すくなくとも高度成長前の人だから、という限界ではないかしら。

桜沢さんは、あんまり、農薬も添加物も知らずに生きた。
すくなくとも、今のような有機リンだの、ネオニコチノイドだの、
あるいは遺伝子組み換えだのという、食が抱えている問題を、知らずに死んだ。

その人の教えを墨守することで、むしろ教えの本質から離れているんじゃないか?

自然と一体化し、自然を搾取したり、地球環境を壊す農と食であってはならない。
という教えから当然に帰結するところを、あまりに見なさすぎるんじゃないか?

ここが私のいちばんの疑問なんですよね。

せっかくオーガニックが「良い」というところまでは認めてるんだから、もっともっと「砂糖禁止」なみに「農薬を体に入れること禁止」「コスト減を目的とする合成の添加物禁止」を、強く謳っても良さそうなのに。。。

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長くなるので各論1.牛乳。

「日本人の体質は9割が牛乳を受け付けない」「もともと日本人には牛乳は合わない」
これは、桜沢さんの時代なら、いえたと思います。

私の子供の頃でも、乳糖不耐症の中高年(男性)はいました。

しかし今の時代、乳糖不耐症の人なんて、ほとんど聞かない。
少なくとも、私の子供時代の比率で存在はしてない。ぜんぜん少ないでしょうね。

これは、戦後アメリカ給食導入以来、日本人が「授乳期」をおわってもお乳を摂取する経験がとぎれることがなくなった結果、
乳糖分解酵素の産生が止まないようになったから、ではないかしら。

今の子は授乳期後でも、保育園でも幼稚園でも小学校でも、牛乳を体に入れますから。

だとしたら、その害もあろうけれど益もある、と言う点では、他の食材と大同小異の食品、ではないのかしら。

少なくとも今、「日本人の体質には合わない」とはいえない食品でしょう。

あとは、抗生物質、ホルモン剤、遺伝子組み換え飼料、農薬飼料、その他多くの現代的な食の問題を別にすれば、忌避する理由も、そんなにないのでは。。。。?
あとは個々人の体質・体調見合いで摂取をきめればいいことで。

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各論2.「日本の伝統食」 (マクロビに限らず、「食育」系で)

また、「伝統の食事がよい」とばかりいうのもなんだか。

日本人の食事はカルシウムが少なく、女性は年老いたらすべからく背中が曲がる骨粗鬆症状態になった、という話は、どこへ消えたんでしょう。

日本人の伝統食の弱点を、無視するのもおかしい。

また、伝統の食事を伝統通りの食べ方に従っていたら、一部の地域では、栄養失調になる人も続出なのでは。
だって、東北地方って、けっこう餓死者だしてたんですよ。

数年〜数十年ごとに、地域の人口の何%かが死ぬような摂取方式、というのも、「伝統」ではないの?

伝統というのは、「いいもの」のみをいうの?

もしも「いいもの」のみをいうのなら、その「過去の食習慣(価値中立)」が「いいもの」なのかそうでないのかを判断する過程、というのが絶対必要なはず。

それって、ほんとにやられているのでしょうか?

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