これ、ミクシのニュースになってたんです。
大感激。
オール電化がCO2排出を減らさないこと、のみならず(こっちはけっこう聞かれる)、事業所の電力消費が、どうやっても「省エネ」仕様になっていないことまで。

うれしいので、要約せず甜菜。あちがった。
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≪「オール電化」は、キッチンや給湯などの生活エネルギーをすべて電気でまかなう賢いライフスタイルです(中略)エコロジー&エコノミーな快適が簡単に実現します≫(東京電力のHPより)

 従来のガス併用住宅では、料理したり風呂を沸かすたびに、CO2の排出を目の当たりにしていたが、オール電化住宅ではそれもない。しかもその電気が、発電時にCO2を排出しない原子力発電によって供給されているとなれば、地球温暖化の歯止めにも期待が高まる。また、給湯や暖房に使用する熱の蓄積を、電気料金の安い夜間に行うので経済性も魅力的だ。そんな、いいことずくめのオール電化が、着実にシェアを伸ばしているらしい。
 
 ところがどうも、厳密に計算していくと、オール電化はエコではないらしいのだ。

 「足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ(足温ネット)」代表の田中優氏は、オール電化の環境への影響について次のように語る。

「オール電化で、夜間に増えた分の電力需要は、発電時にCO2を排出しない、原子力や水力も含めた発電で賄われるという言い方をされていますが、実は火力発電で賄われています」

 原子力発電は、出力を強めたり弱めたりすると不安定になるため、常にフルパワーで回し続けなければならない。こうした電源は「ベースの電力」と呼ばれ、電力供給の底上げに使われる。一方、電力需要の波に合わせた発電量の調整は、出力の調節ができる火力発電によって行う。すでにどの時間帯でも、電力需要は原子力発電の発電量を上回っているので、オール電化で増えた分の夜間の需要は、火力発電によって賄われることになる。

「なので、オール電化住宅のCO2の排出量を計算する時は、火力発電単独で計算しなければなりません」(田中氏)

 火力単独で計算すると、オール電化によって、家庭で抑えられるCO2の排出量を上回る量のCO2が、発電時に排出されることになるというのだ。

 それでは、オール電化の目玉のひとつ、エコキュートはどうだろう。これは、空気中の熱を集めて圧縮しお湯を温めるヒートポンプという技術を取り入れ、電気温水器の5倍の効率で熱を生み出すという給湯設備だ。

「エコキュート自体は、とても効率がいいです。でも、夜間の安い電気でお湯を沸かすので、最も温められるのは朝方。たいていの人はお風呂に入るのは夜ですから、その頃には冷めてしまう。エコキュートは追い焚きが苦手なので、冷めた場合は、結局、効率が悪くなります。オール電化で、電気料金が安くなることはあるでしょう。でも、CO2の排出量は逆に増えます」(同)

 実はかえってCO2の排出量を増やしていたオール電化。これでもエコと言えるのか? 東京電力に聞いてみた。

「私どもの見解としましては、ベストミックスというのですが、火力・水力・原子力の3つを組み合わせて発電しているということを前提としています。結果、10%の省エネルギー効果、25%のCO2の削減効果が期待できるため、(オール電化住宅は)省エネ性、環境性に優れた住宅であると考えています」(東京電力・広報担当)

 東電の見解は、あくまでオール電化の電力は、水力、原子力からも持ってきているというもの。しかし、解釈がどうであれ、全体として排出されているCO2の量が減っているということはないのだ。
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大口客=企業に優しい料金体系

 田中氏は、家庭のせいにばかりする現状にも疑問を投げかける。

「そもそも、家庭のCO2排出量は全体の5分の1程度で、大半は産業なんです。でも、大口の顧客である産業界からの、『こっちに目を向けさせるな、消費者のライフスタイルのせいにしろ』という圧力があるので、家庭のせいにされています」

 CMで、「電気を大切に」などと、さかんに宣伝されているため、電気の無駄遣いを反省する人も多いだろう。それ自体は非常に有益なことだ。しかし一方で、消費の大半を占める事業者の省エネ対策は、さほど進んではいない。その大きな原因のひとつに、電気料金の設定が挙げられる。

「今、企業は、3年で元が取れる省エネ設備すら導入しません。なぜなら、企業向けの電気料金は、基本料金が高くて単価が一定。使えば使うほど割安になるのです。だから、設備を導入して省エネするメリットがないんです。みんな省エネ製品を導入すれば、それだけで(CO2排出量を)約4割減らせる。仮に3割減らせば、それだけで京都議定書をクリアできますよ」(同)

 家庭では、使用した量が多ければ多いほど、単価が上がり、割高になる。このため、消費者は省エネ家電を導入するメリットがある。企業に対しても同じことをすればいいのだ。

「そうしないのは、電気を使ってもらいたいからでしょう。そうすれば、発電所をもっと建てられる。産業界での地位が、もっと高まりますから」(同)

 そうして増えに増えた日本の発電所。発電所は、電力需要のピーク時に電気を供給できるだけの数を用意しておく必要がある。日本はピークとそれ以外の時の差が大きく、発電所の稼働率が低く無駄が多いのだという。

「電気事業便覧というデータ集を見ると、日本の発電所の稼働率(負荷率)は60%程度。ドイツや北欧の72%に比べると、非常に効率が悪い。電力需要の波が大きすぎるのです。日本も同じように、稼働率を72%まで上げた場合、4つに1つの発電所を止められます」

 では、その電力需要の波を穏やかにし、稼働率を上げるためには、どうすればいいのか?

「実は、ピークははっきりしています。夏の平日、気温が31度を超えた日の午後2時から3時にかけてだけなんですよ。だから、この時だけ電気料金を高くすれば、ピークを分散することができます」(同)

 この点については、電力会社も対応を進めているようだ。

「大口のお客様の需要を抑制すべきだ、という指摘はごもっともな話です。ですので、すでにそうした取り組みは実施しております。たとえば時間帯別料金メニューなどを用意して、負荷の下がる時間帯や季節に応じて、ピークが分散されるように努めております。そうした契約【筆者注:使えば使うほど割安になる契約】もありますが、ほかにも省エネに繋がるような選択肢を増やして、お客様に選んでいただいている、という状況です」(東京電力広報担当)

 そうした料金設定を選ぶ企業がどの程度いるのかについては「(データの)用意がない」として回答を得られなかったが、田中氏によれば「全体の2%しか契約していません」とのこと。もう少しピンポイントに料金の値上げを行い、省エネ設備の導入メリット(あるいは浪費のデメリット)を大きくすれば、さらなる効果が期待できるはずだが、強く出られないのはやはり「大口のお客様」に対する配慮だろうか。

 環境への配慮をPRはするものの、結局、企業が最重要視しているのはコスト。省エネ=省コストではない現行システムのひずみが、環境への負荷を高めているといえるだろう。省コストと省エネを一致させるためにも、電力会社には、さらなる工夫が望まれる。
(逸見信介/「サイゾー」6月号より)

コメント

シゲ
シゲ
2008年6月20日0:18

おお、素晴らしい!
ここに書かれてることは、そのまま正しいと思います。

が、しかしですね、オール電化に関しては、もっと本質的な大問題があるんですよ。
それは、

●電線からの熱の放出

です。
電気は電線を通るということは、抵抗が多少なりともあるわけで、そこに熱が必ず発生します。
CO2が本当に直接的に地球温暖化の原因になるかどうかはわかりませんが、こっちは絶対すぐに温暖化に直結する大問題なんですね。
都市ガスと電気のミックスで、料理などはガス、電気でしか仕方ない部分は電気、という形にすればムダな熱も出ません。ガス管はガスが走ってるだけですから、熱になって逃げませんから。

そういう意味では、電気を配電する方式はかなりムダが多いんです。それを「オール電化は環境に貢献」と言って大量販売するのは、大ウソこの上ないんですよ。

特に最近は年寄りには火を扱わせるのが危ないとか言って、IHクッキングヒーターなんかが出てますけどね。あんなもの、どう考えたっておかしな機械だと私は思う。電子レンジですら疑問を感じるのに。

本当の本当の事を言えば、電気は、現代で言うコジェネ、つまり地域発電が標準になるはずだったのですよ。でも、アメリカ国内の「政治」によって大型発電所から地域に配られる形が普通になっちゃった。

わざわざ遠い発電所から電線引っ張るんですよ? ムダに決まってるじゃないですか!
昔は発電機が、たとえばビルごとに入っていて、そこに石油の供給者が定期的に石油を配ってたらしいんですね。
本当は、この形が良いんだと思います。いちばんムダがない。

それでコジェネみたいに発電時の熱量まで給湯に回すとかしたほうが絶対に良い。いまはそういう熱は発電所でムダになってるだけですから。
そらもう、巨大なムダですよ。

でも、地域発電では火事とかけっこう多かったらしいんですよね、昔。それで中央集権的に大型発電所を作るという政治の利権構造が出来上がってしまったわけです。
石油販売をしてるメジャーも、その方が手軽にエネルギーを独占できて便利だったとか、まぁそういう事なわけですよ。ありていに言ってしまえば。

なんだかなぁって思いますが、まぁ、現実そうなってるんだからしょうがない。

で、この中央集権的仕組みの向こうにあるのが原発ですね。
より一層、「なんだかなぁ」なんですけどね。

どうにもエネルギー関連はうさんくさい話が多くて、聞いてられない事が多すぎます。

きりがないので、このへんで終了。
失礼しました。

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2008年6月20日6:55

エコキュートは5℃以下では湯が沸かせないので、温暖な地でないと冬季は使い物になりません。また、IHクッキングヒーターは料理の幅が狭まる、熱効率がガスに比べて高いわけでもない、などオール電化は生活上の問題が多いです。また、大規模発電所から高効率コジェネレーション発電へ、という海外の動きともまったく相反しますね。

どん太
どん太
2008年6月21日16:18

シゲさん

ありがとうございます。
電線で発熱してしまう、送電ロスの問題ですね。
これ、けっこう大きかったような。。数字忘れたけど。

そうですよねー。それまでも考えると、ほんとにエコじゃないのに。

大発電所式の既存の構造は、
>大型発電所を作るという政治の利権構造
ですね。
その究極が原発、その通りだと思います。
なんとも。。まじめに語るのがうんざりするような
話ではありますね。。

どん太
どん太
2008年6月21日16:23

淵瀬春秋

レスありがとうございます。
その通り♪
さらに私からみれば、エコキュートは近隣の低周波音被害の発生源(体壊す人います)、IHはお腹に強い電磁波をあてる器械、でもあります。

コジェネへのシフトも進まない、再生可能エネルギーへのシフトもすすめないで、なにがサミットじゃいといいたいです。

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