最高裁初判断
5月22日11時2分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080522-00000914-san-soci

 殴った相手に反撃され、さらに殴り返した場合、殴り返した行為が正当防衛に当たるかが争われた傷害事件の上告審で、最高裁は、「正当防衛には当たらない」と判断して被告の上告を棄却。

最高裁決定は、被告の不正行為が原因との場合、原則として正当防衛にはならないとの判断を初めて示した。

被告は平成17年11月、東京都府中市の路上で、男性を素手で殴打。男性は、立ち去った被告を約90メートル追跡して素手で反撃したため、被告が特殊警棒で殴り返して男性にけがを負わせた。

 第2小法廷は、被告が殴られたのは、先に手を出したせいだと認定。その上で、男性の反撃が被告の暴行の程度を大きく越えるものではないと評価し、こうした状況下では被告の反撃は正当ではなかったと結論づけた。

------------------------------------------------------
んーーーーー

というか、これだと急迫不正の侵害がない、わけだから、
正当防衛成立しようがない、じゃん?
というのは、原因において違法とかいわなくても、なりたつんではとおもうのは、刑法勉強足りないわたしのせい?

コメント

どん太
どん太
2008年5月22日23:36

弁護人酒井清夫の上告趣意は,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違
反,事実誤認,量刑不当の主張であり,被告人本人の上告趣意は,単なる法令違
反,事実誤認,量刑不当の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当
たらない。
所論にかんがみ,本件における正当防衛の成否について,職権で判断する。
1 原判決及びその是認する第1審判決の認定によれば,本件の事実関係は,次
のとおりである。
(1) 本件の被害者であるA(当時51歳)は,本件当日午後7時30分ころ,
自転車にまたがったまま,歩道上に設置されたごみ集積所にごみを捨てていたとこ
ろ,帰宅途中に徒歩で通り掛かった被告人(当時41歳)が,その姿を不審と感じ
て声を掛けるなどしたことから,両名は言い争いとなった。
(2) 被告人は,いきなりAの左ほおを手けんで1回殴打し,直後に走って立ち
去った。
(3) Aは,「待て。」などと言いながら,自転車で被告人を追い掛け,上記殴
打現場から約26.5m先を左折して約60m進んだ歩道上で被告人に追い付き,
自転車に乗ったまま,水平に伸ばした右腕で,後方から被告人の背中の上部又は首
付近を強く殴打した。
(4) 被告人は,上記Aの攻撃によって前方に倒れたが,起き上がり,護身用に
携帯していた特殊警棒を衣服から取り出し,Aに対し,その顔面や防御しようとし
- 2 -
た左手を数回殴打する暴行を加え,よって,同人に加療約3週間を要する顔面挫
創,左手小指中節骨骨折の傷害を負わせた。
2 本件の公訴事実は,被告人の前記1(4)の行為を傷害罪に問うものである
が,所論は,Aの前記1(3)の攻撃に侵害の急迫性がないとした原判断は誤りであ
り,被告人の本件傷害行為については正当防衛が成立する旨主張する。しかしなが
ら,前記の事実関係によれば,被告人は,Aから攻撃されるに先立ち,Aに対して
暴行を加えているのであって,Aの攻撃は,被告人の暴行に触発された,その直後
における近接した場所での一連,一体の事態ということができ,被告人は不正の行
為により自ら侵害を招いたものといえるから,Aの攻撃が被告人の前記暴行の程度
を大きく超えるものでないなどの本件の事実関係の下においては,被告人の本件傷
害行為は,被告人において何らかの反撃行為に出ることが正当とされる状況におけ
る行為とはいえないというべきである。そうすると,正当防衛の成立を否定した原
判断は,結論において正当である。
よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項ただし書により,裁
判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索