ヴィリ (いちおうネタばれ警告)
2007年11月22日 読書
ああこれも読んぢまった。
恋した男が、自分でなく、自分の娘と結婚させてくれと
頼んできたときに、主人公のバレリーナ(中年女)はがらがらと自分がくずれて、
その心の隙に魔(地縛霊)につけ込まれ、殺されかけて。
意識不明の重体時に、生き霊として中有をさまよいながら、かつて「恋人」と思った男の本音を見て。
自分の恋はすべて手前勝手な思いこみだったことを、悟るんですね、この人。
相手に恋されてると思ったのは、手前勝手な自己愛の反射効だったと。
要は自分の至らなさだったと。
それを悟ったときに、「こんな中途半端で、私はどこに行けばいいんだろう」と途方に暮れると同時に、現世に戻ってくる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
彼女はそこでそのまま旅立つこともできたはず。
そうなったら、このお話は、ヘッセの「クヌルプ」と同じ構図だし、タイトルのヴイリの出てくるバレエ、「ジゼル」と同じになった。
そこで旅立たせずに、もういちど人生を生きることを許したのが、そして、人の愛を受け入れる女になったのが、この漫画の「救い」ですね。
そして、事故前からずっと友情を注いでくれる仲間が、彼女には用意されている。
足を失い、バレエ人生を終わらせられ、普段も車いすの生活になった代わりに、人の温かい思いが彼女の中に入るようになる。
これ、主人公が43歳の中年女というところからも、ちょいと身につまされました。
同じ歳ですから、私。
そして、健康を失って、少しだけ、前よりも人の情けをしみじみ感じる自分にも。
山岸凉子さん。
最近は「救い」が漫画にある。
「鬼」は何度も泣きました。
あそこにも、昔無かった救いがある。
「日出る処の天子」は、救いなかったもんね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
※ハンバートさま
読ませていただきました。
文章がとても素敵ですね。。あこがれます。
お断りなしで申し訳有りませんでしたが、お気に入りに加えさせていただきました。
偶然mentionした鬼と日出る処の天子がかさなりました。
恋した男が、自分でなく、自分の娘と結婚させてくれと
頼んできたときに、主人公のバレリーナ(中年女)はがらがらと自分がくずれて、
その心の隙に魔(地縛霊)につけ込まれ、殺されかけて。
意識不明の重体時に、生き霊として中有をさまよいながら、かつて「恋人」と思った男の本音を見て。
自分の恋はすべて手前勝手な思いこみだったことを、悟るんですね、この人。
相手に恋されてると思ったのは、手前勝手な自己愛の反射効だったと。
要は自分の至らなさだったと。
それを悟ったときに、「こんな中途半端で、私はどこに行けばいいんだろう」と途方に暮れると同時に、現世に戻ってくる。
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彼女はそこでそのまま旅立つこともできたはず。
そうなったら、このお話は、ヘッセの「クヌルプ」と同じ構図だし、タイトルのヴイリの出てくるバレエ、「ジゼル」と同じになった。
そこで旅立たせずに、もういちど人生を生きることを許したのが、そして、人の愛を受け入れる女になったのが、この漫画の「救い」ですね。
そして、事故前からずっと友情を注いでくれる仲間が、彼女には用意されている。
足を失い、バレエ人生を終わらせられ、普段も車いすの生活になった代わりに、人の温かい思いが彼女の中に入るようになる。
これ、主人公が43歳の中年女というところからも、ちょいと身につまされました。
同じ歳ですから、私。
そして、健康を失って、少しだけ、前よりも人の情けをしみじみ感じる自分にも。
山岸凉子さん。
最近は「救い」が漫画にある。
「鬼」は何度も泣きました。
あそこにも、昔無かった救いがある。
「日出る処の天子」は、救いなかったもんね。
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※ハンバートさま
読ませていただきました。
文章がとても素敵ですね。。あこがれます。
お断りなしで申し訳有りませんでしたが、お気に入りに加えさせていただきました。
偶然mentionした鬼と日出る処の天子がかさなりました。
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