2007年01月14日16時31分
 兄が妹を、妻が夫を殺し、その遺体をバラバラにする。東京・渋谷で、陰惨な事件が相次いだ。

 一般に家族間の殺人では、殺害後も、毛布をかぶせたり目を閉じさせたりと遺体が大事に扱われることが多い。殺害行為は瞬時で終わるが、遺体切断には時間がかかる。我に返る機会もある。

 にもかかわらず、なぜ実際に切断するまでエスカレートしたのか。

 三橋祐輔さんが殺害された事件では、妻の歌織容疑者が「遺体は想像以上に重く、自分1人では動かすことが困難だった。一刻も早く、自分の目の前から取り去ってしまいたかった」という趣旨の供述をしている。

 その一方で、捜査本部は「身元がわからないようにしたかった」という心理や、夫に対する強い憎しみの感情も確認している。いくつもの要素が合わさって切断に至ったとの見方だ。

 家族なのにどうしてこんな残酷なことをするのか。
美術評論家の布施英利さんは、「家族なのに」ではなく、「家族だから」と考える。身近な人の死を人間はすぐに受容できない。だから死を受け入れるための儀式として葬式を開く。「今回はその儀式が異常な形で現れたのではないか」

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「家族だから」というのは賛成。
でも理由が違う。
葬式なわけないでしょ、バラバラにする行為が。
憎悪ですよ、憎悪。
家族だから。
一緒にいなくちゃならないから。

兄弟なんて、意思でいっしょにいるわけじゃない。親がうんだから一緒にいるだけ。いやも応もない。
仲よけりゃいいが、わるきゃ不愉快な人間と角つきあわせていなくちゃならない最悪状態。

夫婦も同じ。
一緒になる時点で意思の合致はあったけど、その後関係が悪くなったら、兄弟の話と同じになる。
世間体があるから、経済的に不利になるから、と一緒に「いざるをえない」と考えるから、よけい憎悪も溜まる。

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 ●裕福な家庭、識者は注目

 「家族のあり方を改めて考えさせられる事件だ」。捜査幹部は背景にある家族関係にも強い関心を寄せている。

 片方は歯科医の一家。もう片方は高級マンションに住む「スマート」な印象の夫婦。二つの事件がともに経済的に恵まれた家族内で起きた点に注目するのは、京都女子大の井上真理子教授(犯罪社会学)だ。

 「社会全般では離婚率が高まっているが、豊かな家庭では家族のまとまりを維持しようという傾向が今も強い。その分、家を出たり、別れたりしないまま様々な問題を内側に抱え込んでしまう」。二つの事件は、それが遺体切断という極端な行為に表れてしまった例とみる。

 ●夫婦・きょうだい 10年間で事件急増

 警察庁によると、遺体をバラバラにする死体損壊や死体遺棄の件数は、親子や夫婦、きょうだい間の殺人事件や傷害事件をみると、10年間で増加傾向にある。

 夫婦(内縁関係を含む)間の殺人は4割増の218件、傷害は4倍余の1342件だった。きょうだい間の殺人も50件で3割増。傷害は3.3倍の256件に上った。

 こうした増加の一因は、家族間のトラブルでも被害を警察に届け出るように社会意識が変化した結果だと警察庁はみている。ただ、傷害の増え方が急なうえ、殺人のように以前から家庭内では隠せなかった事件も増えており、「単に意識の変容だけでは説明がつかない。家族間の人間関係の悪化がうかがえる」(同庁幹部)という。
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たぶん、殺したくなるほど、殺さないと気が済まないほどの憎悪が溜まる前に別れられたら、それが賢い、ということなんでしょう。

決断しないで泥沼にはまったんですな。

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